コラム

杭工事とは?必要性や種類・手順を紹介

2023年10月27日

杭工事とは、基礎工事の一種で軟弱な地盤を補強するために行われます。
どのような土地に杭工事が必要なのか知りたい方も多いでしょう。

今回は杭工事の必要性から杭工事の種類、手順などを解説します。
所有している土地に建築工事を予定している方は、参考にしてください。

杭工事とは?必要性や種類・手順を紹介

【なんのため?】杭工事の概要や必要性を解説

杭工事とは、構造物を建築するときの「基礎工事」の一つです。
主にやわらかい地盤の上に建てられる構造物に対して使われます。

耐震強度を上げたり、地盤沈下を防いだりするのが役割です。
災害時に建物が倒壊しにくくなり、構造物の耐久性が向上する効果などもあります。

日本は軟弱な地盤が多く、地震も多発しているので杭工事が必要とされる事例が珍しくありません。
なお、工事は一般住宅から高層ビルまで幅広く行われています。
注文住宅を建築する場合、地盤検査の結果杭工事が必要になるケースもあるでしょう。

工事をしないと、耐震強度が不足して建築基準法に違反する恐れもあるため気をつけてください。

ちなみに、工事が必要かどうかは地盤検査で分かります。
杭工事が必要になっても、施主に無断で勝手に行うことはありません。
必ず施主に相談があります。

杭工事が必要かどうか事前に情報を集めたい場合は、古地図などで土地が昔どのように使われていたを調べましょう。
埋立地の場合は杭工事が必要になる可能性が高いです。

また、周囲の建物が杭工事を行っている場合は、高確率で杭工事が必要になります。

杭工事の種類を解説

ここでは、杭工事の種類を2種類ご紹介します。
工事を依頼したい方は、ぜひ参考にしてください。

既製の杭を打ち込む

あらかじめ工場製作された杭を現場で打設する工法です。
杭に合わせた穴を地面に掘っておき、杭を注入します。
すでに杭が用意されているので、短い工期かつ簡単な施行で杭工事ができるのがメリットです。

しかし、工場で制作できる杭の長さに限度があるため、長い杭が必要な現場では対処できません。
特に、大型ビルを作る場合などには使えないケースがあります。

打込み工法の方は騒音や振動の問題から、規制杭で実施される事例は減少しました。
近年主流なのは、埋め込み工法です。
この工法には、プレボーリングや中堀りなどのパターンがあります。

敷地の面積や使える器具の種類などで、工事方法は決定されます。

現場で杭を作って打ち込む

工場で制作された杭ではサイズが合わない場合、現場で杭を造成する工法を使う可能性が高いです。
既製杭よりも臨機応変な対応が可能なのが、この工法のメリットです。

その一方で以下のような工程が増えるため、既製杭工法よりも工期や費用がかさみます。

・地盤の掘削
・鉄筋かごの配筋
・建て込み
・コンクリート打設

現場作成には「アースドリル工法」「オールケーシング工法」などの工法があります。

杭工事の流れを解説

ここでは、実際に杭工事がどのような流れで行われるかを解説します。
杭工事の流れを知っておくと、施工主にとっては何かと便利でしょう。

工法を決定し必要に応じた準備をする

工事を行う前には、土地の調査をします。
規制杭打ち工法か、場所杭打ち工法かを決定するためのものです。
杭工事を行う前には詳細な土地調査が必要ですので、施工会社と打ち合わせして日程や詳細を決めてください。

調査では地中はもちろん、工事現場の上空や隣接する場所に作業の障害になる物がないか確認します。
この確認を怠ると、事故につながる可能性があります。
埋設物及び離隔距離の確認なども、念入りに実施してもらいましょう。

特に、大型機械を入れる場合は安全確認も徹底するので準備だけでも時間がかかりがちです。

資材を現場に持ち込む~本工事をする

準備ができたら、資材を搬入して工事機器の組み立てと本工事をします。
既製品の杭を使う場合は穴掘り、杭打ちの順番作業をします。
穴を掘れば後は杭を打つだけのため、問題がなければ短期間で工事が終わるでしょう。

一方、現場で杭を作るタイプは穴をあけた上で、杭を作るためのコンクリを流し込みます。
コンクリが固まるまで作業ができないので、やや工事に時間がかかるでしょう。

なお、いずれの工事でも準備の障害物や埋没物が出る不足の事態で、工事が一時ストップする恐れもあります。
工期には余裕を持つのが大切です。

機材の解体をする

工事が終わり、安全と出来具合を確認したら機材の解体を行います。
大規模な杭工事を行った場合、機材の解体だけで1日かかる可能性もあります。
機材の解体が全て終わり、整地が完了したら基礎工事の開始です。

杭工事に時間がかかる場合は、建築の工期全体が伸びると考えて日程を組んでください。
なお、やむを得ない理由で工期が伸びた場合は、必要な費用をどのように負担しあうか話し合いが必要なケースもあります。

まとめ

今回は、杭工事の種類や流れなどをご紹介しました。
杭工事は、基礎工事の前に行い、工事の内容が人目に触れるケースはほとんどありません。
しかし、工事がしっかりと正確に行われていれば、建物の寿命も格段に伸び耐震強度も上がるでしょう。

したがって、杭工事はとても重要なものといえます。
多少費用がかかったとしても、実績が豊富な優良な業者に依頼をしてください。