コラム
外壁をガルバリウムにしたら後悔?メリットと後悔の本当の理由
2023年04月30日
外壁をガルバリウムにして後悔した方の話をよく聞きます。
聞いてしまうと「本当はガルバリウム外壁にしたいけれども……」と躊躇してしまうのではないでしょうか?
けれども、どのような外壁であれメリットとデメリットはつきもの、そしてそれらはときに表裏一体です。
ここでは、ガルバリウム外壁の後悔の本当の理由を検証し、後悔しない新築・リフォームの方法を提示します。
この記事を読めば、新築・リフォームに前向きになり、ガルバリウム外壁のよさも再認識できます。
外壁をガルバリウムにして後悔したケース・デメリット
外壁をガルバリウムにして後悔した理由として、筆頭に挙げられるのが以下の2つです。
1.錆びに強いといわれたが錆びた
2.キズがつきやすく凹みやすい
それぞれについて解説します。
①錆びに強いといわれたが錆びた
ガルバリウム外壁のセールスポイントが「錆びにくい」なので、実際に錆びた外壁を目の当たりにしたショックは計り知れないでしょう。
「錆びにくい」は絶対錆びないわけではなく、同じような金属と比較した場合の錆びる可能性の低さに過ぎません。
トタンなどと比較すると確かに錆びにくいのですが、保護するメッキ塗膜が薄いため、小さなキズや切れ込みから錆びが容易に侵入してきます。
錆びの進行も早いため「気がついたら錆びていた」と後悔してしまうようです。
②キズがつきやすく凹みやすい
ガルバリウム外壁に何かをぶつけて目立つキズになったり、ボールをぶつけて凹んでしまったりといった後悔の話は枚挙に暇がありません。
その理由となるのがガルバリウムの薄さです。
ガルバリウム鋼板全体の厚さはわずか0.4mm、そのうち表面を保護するメッキ層は0.05mmしかありません。
軽量で取り扱いが容易である反面、断熱性や遮音性の低さと並んだデメリットといえます。
「まさかこんなに華奢とは……」と、後悔の声が上がっています。
外壁をガルバリウムにするメリット
ガルバリウム外壁の導入が進んでいるのは、以下のようなメリットがあるからです。
1.錆びにくい
2.軽量で作業しやすく工期が短い
3.耐用年数が長い
4.シンプルでスタイリッシュ
5.リフォームしやすい
ここでは、図らずも後悔要因となってしまった「錆びにくい」「軽量で施工しやすく工期が短い」について解説します。
錆びにくい
ガルバリウムは金属系材料の中では錆びにくいとされ、以下のような素材が配合されています。
アルミニウム | 55% |
亜鉛 | 43.4% |
シリコン | 1.6% |
上記の配合の合金を重ねてメッキ処理したものがガルバリウム鋼板です。
アルミニウムの耐久性の高さと、錆びに強い亜鉛のよさを兼ね備え、さらに表面にメッキ処理を施しているので防錆効果が高まるのは当然でしょう。
「錆びにくい」が、ガルバリウム鋼板のセールストークとなっているのもうなづける話です。
軽量で施工しやすく工期が短い
ガルバリウムの特徴は、厚さが0.4mmと薄くて軽量な点です。
そのため、耐震性が高い、施工しやすく工期が短いなどがメリットです。
耐震性の高さとは、地震で外壁が損壊した場合の建物への影響の少なさをいいます。
軽量で作業しやすいメリットは施工期間の短縮にもつながりコスパ効果も期待できます。
重ね張りにも適しているため、外壁リフォ―ムに用いられるケースも少なくありません。
結果的に、この薄さが後悔の要因となってしまいました。
外壁をガルバリウムにして後悔した本当の理由とは?
ガルバリウム外壁の後悔はメリット・デメリットが表裏一体となり、メリットに過度に期待している可能性があります。
「なぜ後悔したか」の観点から、2つの理由が浮かび上がってきました。
1.予備知識とメンテナンスが不十分
2.業者の過剰なPRによる期待とのギャップ
それぞれについて解説します。
予備知識とメンテナンスが不十分
ガルバリウム外壁の後悔要因は、言葉の拡大解釈の面も否めません。
その代表が以下の2つです。
1.錆びにくい
2.メンテナンスフリー
錆びにくいは、錆びへの耐性の高さであり、絶対に錆びないわけではありません。
あらかじめ念を押されていたら、キズや塩害へのすみやかな対処で錆びを未然に防げた可能性は高いでしょう。
また、耐用年数は25~30年といわれますが、どのような外壁材であれメンテナンスは必要です。
手軽にできるメンテナンスが水洗いですが、10~15年目安での塗装や張替え、重ね張りなども視野に入れておきましょう。
業者の過剰なPRによる期待とのギャップ
営業とは言葉で売る職種ですが、売って終わりではなく、アフターフォローもあ
る誠実さが欲しいところです。
例えば、以下のようなひと言をつけ加えてくれる営業マンと出会えたら、後悔はしないでしょう。
・「錆びにくいけれども、この辺りは海風が吹き付けてくるので、金属系の外壁は避けた方がよいですよ」
・「薄くて凹みやすいので、お子様とボール遊びとかされる場合には、くれぐれもご注意くださいね」
消費者としても、過剰なPRに翻弄されないよう、真意を見抜く目を養っておく必要があります。
新築・リフォームで後悔しないためには業者選びが大切
施工技術はもちろん、アフターフォローへの保証や助言などを踏まえると、外壁で後悔しないためには、業者選びが大切です。
コストと折り合いをつける必要はありますが、特典サービスや軽妙な口車に乗せられないよう注意しましょう。
以下は業者選びのチェックポイントです。
・地域の気候・風土に精通している
・質問に的確に答えてくれる
・見積りの詳細が明確
・施工時の近所への配慮を怠らない
・保証がある(施工後のアフターフォロー)
新築・リフォームどちらにしても信頼と実績のある業者が最優先されます。
保証がついていたら、さらに安心できます。
施工後のメンテナンスやリフォームのタイミングに関する告知など、長期的につき合える業者を選びましょう。
まとめ
外壁をガルバリウムにしたときの後悔は、営業マンの軽妙な口車に乗せられ、メリットへ期待しすぎたケースが多いでしょう。
後悔は後学の糧として、丁寧なメンテナンスと慎重な業者選びの解答を提示してくれました。
やがて口先だけの業者は淘汰され、ガルバリウムも進化し外壁の選択肢も増えるでしょう。
冷静で慎重に、そして柔軟に新築・リフォームの計画を進めましょう。